仕事から帰ると奥さんに1枚の手紙が届く。

奥さんは潔癖性なので手紙などは余程の準備をしてからでないと触らないのでその存在は知らない。

重要なものだといけないので手紙の存在を伝える。

すると開いて中身を見てほしいとの返答。

そして中身を開くとそれは太極拳の昇段試験の三段の合格通知でした。

薬局を立ち上げた頃何か趣味をと言うことで二人でカルチャーセンターへいきました。

そこでいまの太極拳教室の先生の動きに魅せられたと言うことで初めた太極拳。

初めてまもない頃にその憧れの先生から大会にでてみないか?と誘われる。

太極拳大会の参加者が年々減っているそうなので若い人にも出てほしいとのことだと思うのですがさすがに時期尚早といったところ。

ところが憧れの先生に誘われて出てみたいと言い出しまた。私は止めませんでした。

結果…惨敗。ダントツの最下位でした

素人の私が見てもなんともならない感じでちょっと気の毒な感じ。

これはまだ早いよと止めるべきだったかな?

どうやって声をかけたらいいのかなと戸惑っている私のところへ彼女はスタスタと帰ってくる。そして泣きじゃくる。

でも驚いたのは悔しいといって泣くのです。

彼女は本気で勝つつもりで望んでいたのです。そしてまた来年挑戦すると…

そこから彼女の人生は大きく変わっていくのです。

来年挑戦すると言うことを聞いてある一人の先生(当時で70歳を超えていた?)が彼女のことを教えたいと言ってくださいました。

そして一年先生のもとでみっちり練習して翌年また大会に出場するのですが…

なんと全国大会の切符を掴んでしまうのです。

彼女は一般的な人より体力がないし潔癖性があるのでどこへ行くにも付いていかなくてはならなかったし揚げ物や油の類いの物は怖がって食べないと言ったところがありました。

それからはもっと上手くなりたい思いからか食事をちゃんと摂るようになったし

勇気を持って大会に出たから運命的な出会いを経験いたしました。

その事が本当に嬉しかったようで新たな出会いを求めて何にでも積極的に挑戦するようになりました。

ただ彼女はブレーキの壊れた車のように制御が効かない

頑張りすぎて限界がきてやっと止まると言った感じでそのコントロールをしてあげないといけないから困ったものです

(疲れがたまっているように見えたら休むように促さないといけない)

ただあのどうしようもない引きこもりのヘナチョコが三段をとれるまで成長したのは感慨深いです

そう思いながら今朝家を出たら

22のナンバーを付けた車が真っ先に横を通り抜けました。

そしてこう言うのです。

ほら言っただろ。ポジティブな未来を想像しなよ

私はそこでもう一つ印象なシーンを思い出すのです

三段の試験には二人一組で行う特殊な試験があるそうなのですがそれを教えてくださった先生と奥さんのやり取りです

(薬局にいらっしゃる患者さんでもあるので二人のやり取りを私は見ていました)

試験受かりますでしょうかね?と心配そうに話す奥さんにあなたら大丈夫。絶対大丈夫だから心配しちゃだめよ

と・・・怖いくらいのポジティブさ。ただ、私もその言葉に勇気づけられたのを思い出します